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冬の定番〃あんこう鍋(茨木県)〃の記事一覧

あんこう鍋(茨木県)3伝統の吊るし切り!

大物の〃あんこう〃を引き上げた漁師さんは大喜びで港へと戻って来ました。すると早速その港では板前さんが包丁を持って〃あんこう〃の到着を待ってました。

そして船から次々と陸揚げされた魚が山積みとなってました。その魚の山の中からブクブクに太った魚が一匹 なんと宙に浮き出しました。
それは板前による正規の〃マジックショー〃かと思いきや…そうではなくその宙に浮いた太った魚〃あんこう〃は竹で出来た三脚に しっかりと吊るされていました。

〃あんこう〃の体の ほとんどが水分とゼラチン質の〃ぬべぬべ〃で出来ているため まな板の上では滑って切りずらいそうです。
そのため棒に吊るされ回しながらさばかれていくそうです。これを〃吊るし切り〃と言い江戸時代から行われている方法だそうです。  

まず最初に〃あんこう〃のおでこに一本だけ生えた波平さん髪の毛のような〃あんこう〃提灯(ちょうちん)を切ってしまいます。
そして〃あんこう〃が海底を這うときに使う翼のようなしっかりとした〃ひれ〃を切り落とします。

そして皮ズボンを脱がすように〃あんこう〃の皮を勢いよく剥がします。このとき皮もエラも美味しいので捨ててはいけません。

そこで〃あんこう〃の体を安定させるために〃あんこう〃に氷水を飲ませます。 

伝統的な〃あんこう〃の吊るし切り
皮をはがされた〃あんこう〃
翼のような形をした〃あんこう〃のヒレ

ーーこのあと〃あんこう〃体の中からあの黄金の袋が取り出されます。

あんこう鍋(茨木県)4黄金の袋〃あんきも〃の登場!

〃あんこう〃の解体ショーも終盤を迎え大いに盛り上がってきました。そこで板前さんは包丁を持った手を高々とあげました。
さあ そこで〃あんこう〃の体内から今回の主役の登場となりました。板前さんは切り開いた〃あんこう〃お腹の中からそっと両手で何やら黄金の袋を取り出しました。

そうですその柔らかい豆腐のような宝物はあの高価な〃あんきも(海のフォアグラ=約1万円)〃でした。
すると観客はそのステージ上の〃あんきも〃に向かって一斉に手を合わせ拝み始めました。〃あんきも〃それだけは価値のある物と言う事になります。

さらにお腹の中からは大きな胃袋も取り出されました。板前さんの話では たまにその胃袋の中からサメや貝殻さらにはペットボトルまで出てくる事もあるそうです。

そして〃あんこう〃の吊るし切りは総仕上げへと進んで行きます。すると今度は〃あんこう〃の体がメリーゴーランドのようにグルグルと回り出しました。
回りながらさばかれていく〃あんこう〃は見る見るとやせ細って行きました。そしてついに頭と背骨とシッポだけとなってしまいました。

しかしその骨も鍋の時しゃぶると美味しいので捨ててはいけません。肝心の肉はと言うとほんのちょっとしかありませんでした。
実は〃あんこう〃の体はほとんどが水分とゼラチン質で出来ているためその巨体から白身の部分は少ししか取れないのでした。

板前の華麗な包丁さばきによりわずか数分で〃あんこう〃の7つ道具が見事にそろいました。

(※ 1.肝 2.とも(胸びれ・尾びれ)3.ぬの(卵巣)4.だい身(身の部分、柳肉とも呼ぶ)5.胃(水袋とも呼ぶ)6.えら 7.皮)

まさに〃あんこう〃は捨てるところがない無駄のない魚でした。またこの〃あんこう〃の解体ショーは一部のホテルや食事処で行われているそうです。

〃あんこう〃の卵巣
あっという間に背骨だけとなってしまった〃あんこう〃

ーーこのあといよいいよ心も体も温まる鍋の季節がやって来ます。 続きは後日公開します。