テスト

そのとき僕はポカポカの温泉に肩まで漬かり体が心地よく〃ほてって〃ました。そしてその湯気は遥か向こうの壁のところまで広がってました。
その大浴場の湯気はまるで雲の上の世界を作り出していました。しかもその温泉は山形県の山奥にあるため土日祭日以外はめったに人は訪れませんでした。

そのため浴槽の中では腕や足を思いっきり伸ばしてもほかの人に当たる心配はありません。20~30人収容できるその浴場に入浴客は1時間に1人現れる程度です。
それ以外の時間は大浴場を貸し切り状態で使うことができます。そのとき僕はちょっとした殿様気分を味わっていました。

大体2日に1回の山登り観光を終えるとホテルや旅館で500円以下の日帰り入浴が出来るところを探してました。
一回の入浴時間は大体1時間半から2時間でした。しかしそれだけ長時間入浴していると湯上り後もしばらくの間のぼせた状態が続きます。

湯上り後 出来ればそのままぐっすりと寝たいところでした。が しかし 寝る前にどうしてもしなければいけない大きな仕事がありました。
その仕事とは車の中で熟睡出来る駐車場所を探す事でした。一見簡単そうに見えますがそれが意外と難しいです。  

のぼせた頭と眠い目をこすりながら車を運転し駐車出来る なるべく〃平ら〃な場所を探します。
なかなか いい場所が見つからず たまに1時間以上かかることもありました。うまく見つけることが出来る日もあれば出来ない日もありました。

見つけられなかったときは大体 あきらめて仕方なく坂道に車を停めそのまま後部座席に移りそこで足を上げながら寝ることになります。

そんなある日の夜中サイドブレーキをかけ忘れた僕の車は真っ暗闇の中 急な坂を猛スピードで下っていました。 
危ないと叫んだ次の瞬間〃ドッカーーン〃と言う大衝撃の音で慌てて飛び起きました。それは何とも恐ろしい夢でした。

サイドブレーキをかけ忘れたばっかりに悲劇は起こってしまいました。