テスト

職人の愛情をたっぷり受けたうどんは次第にその期待に応るかのようの自らその美味しさが増して行くそうです。

しばらくすると あら不思議 職人の魔法の手にかかったうどんの束は天井から床に到達する長さにまで成長していました。
そしてそのときある事に気づきました。そのうどんの姿はまさに先ほど玄関をくぐった時に見た絹で出来た白いカーテンでした。 

数日後 うどんがしっかり乾燥したところで稲庭うどんは完成します。そしておいしく食べられるために生まれてきたうどんたちもやっとその晴れの舞台を迎える日がやって来ました。
厨房(ちゅうぼう)ではもう既に大きな釜(鍋)が準備され大量の湯気を舞い上げながら今か今かとうどんが投入されるのを待ってました。

客室では朝一番の来客が早速 秋田名物の稲庭うどんを注文しました。そしてその後もひっきりなしに人気の稲庭うどんの注文が入ります。
そのとき厨房の大釜はもくもくと湯気を舞い上げながら多くの泡を立てグツグツと沸騰していました。そしてその熱湯の中では稲庭うどんが荒れ狂うように踊っていました。

調理人はうどんが透き通ったのを見計らって一気に熱湯の中のうどんを引き揚げます。そして茹で上がったばかりのうどんは冷水の中で一気に冷やされます。
そこで調理人は両手を使いうどんの表面についた滑(ぬめ)りを綺麗に洗い流します。そしてうどんはお盆の上に準備された四角いざるの上に綺麗に盛り付けられます。

そうやって客の前に出された稲庭うどんはまるで白く光輝く絹のようでした。

白く輝く絹の糸
白い絹のように美しい麺の〃稲庭うどん〃