テスト

やがて英世は小学校へと通い始めます。しかし同級生から英世は傷害を持った左手をからかわれ次第に授業をさぼるようになります。
そんな英世は母シカに〃お前には畑仕事は出来ないだから勉強するしかないんだよ〃とさとられます。

母シカは英世の学費を稼ぐために猛烈に働き始めます。田畑を耕すばかりでなく朝早く湖まで行きエビを取りさらには冬の雪道を荷物を担いで運ぶ仕事までしました。
英世もまたそんな母の一生懸命の姿に胸打たれ猛然と勉強に精を出すようになります。 

しかし英世はこの貧しい家を出たいと思っていたのも事実のようです。ある日 姉イヌとこんな口論があったそうです。
姉イヌは英世にこう言います。私は家を出て行くので長男のお前があの家を継ぎなさい。

すかさず英世はこう言い返します。俺は継ぎたくない。姉さんが婿(むこ)をとって継いでくれ。あんな希望のない百姓の家などいらない姉さんにくれてやる。
激しい口論となった挙句しまいには英世は川に飛び込み〃俺が家を継がねばならないなら死ぬ〃と叫んだそうです。

さらに英世は他人の水田を勝手にせき止め自分の水田に流し込んだり友達に貧困を語り同情させ文房具や教科書をせびり取っていた事もあったそうです。

そんなある日 英世は友達の前で左手の障害に触れた作文を読みあげます。それを聞いた教師や同級生らの同情を誘いみんなで英世の左手を治すための手術費用を集める事になりました。

1892年(124年前)英世は集まった十銭銅貨を胸に抱きアメリカ帰りの医師のいる会津若松の病院へと行きました。そこで英世は念願の左手の手術を受けます。
しばらくすると英世の左手は不自由ながらも指が使えるようになりました。英世はその時初めて近代医学の力を知りました。

さらに英世は手術の成功に感動したことがきっかけとなり将来 医者を目指すこととなります。

英世の幼少期

ーーーーこのあと医師開業試験を受けるため上京します。

つづきをどうぞ