テスト

ほどなくハチに大事な仕事が出来ます。それは上野先生の送り迎えでした。最初は渋谷駅ではなく上野先生が通う大学への送り迎えでした。

さらに上野先生は農業の技術指導のため日本中を飛び回っていたそうです。その時に利用したのが最寄りの渋谷駅でした。
朝 渋谷駅に先生を送ったハチはその後いったん家に戻ります。そして夕方になると先生の出迎えに再び渋谷駅へと出かけます。

そんなハチへのご褒美(ほうび)が駅前の屋台で一杯やる先生の焼き鳥のおこぼれでした。ハチにとって渋谷駅は大好きな上野先生と過ごす大切な場所へなって行きました。
しかしそんな幸せな時は突如終わりを告げる事となってしまいます。そしてハチにとって生涯一番辛い出来事が起こってしまうのでした。

その日 上野先生はほかの教授との会議を終えた後 なんと脳内出血で倒れしまいついに帰らぬ人となってしまいます。享年53歳 ハチとの出会いから わずか1年4か月目の事でした。

上野先生は農業(土木学)に関する偉い先生で今でも東南アジアの村づくりに上野先生の知恵が生かされているそうです。
さらに農業の分野で新たな可能性を開いた団体に送られる上野賞先生の業績を記念し(もう)けられた賞でもあります。そして東京大学には今でも上野先生の胸像が展示されています。

先生の通夜と告別式が行われた日もハチジョンエス(洋犬)と一緒に渋谷駅まで先生を探しに行ったそうです。
そして先生に会えなくなってからハチショックで3日間 何も口にしなかったそうです。

上野先生の胸像(東京大学)
焼き鳥には目がないハチ公
焼き鳥には目がないハチ公

ーーーーーこのあとハチは住み慣れた上野家を離れ何度も引っ越す事になります。つづきをどうぞ