テスト

〃あんこう〃の解体ショーも終盤を迎え大いに盛り上がってきました。そこで板前さんは包丁を持った手を高々とあげました。
さあ そこで〃あんこう〃の体内から今回の主役の登場となりました。板前さんは切り開いた〃あんこう〃お腹の中からそっと両手で何やら黄金の袋を取り出しました。

そうですその柔らかい豆腐のような宝物はあの高価な〃あんきも(海のフォアグラ=約1万円)〃でした。
すると観客はそのステージ上の〃あんきも〃に向かって一斉に手を合わせ拝み始めました。〃あんきも〃それだけは価値のある物と言う事になります。

さらにお腹の中からは大きな胃袋も取り出されました。板前さんの話では たまにその胃袋の中からサメや貝殻さらにはペットボトルまで出てくる事もあるそうです。

そして〃あんこう〃の吊るし切りは総仕上げへと進んで行きます。すると今度は〃あんこう〃の体がメリーゴーランドのようにグルグルと回り出しました。
回りながらさばかれていく〃あんこう〃は見る見るとやせ細って行きました。そしてついに頭と背骨とシッポだけとなってしまいました。

しかしその骨も鍋の時しゃぶると美味しいので捨ててはいけません。肝心の肉はと言うとほんのちょっとしかありませんでした。
実は〃あんこう〃の体はほとんどが水分とゼラチン質で出来ているためその巨体から白身の部分は少ししか取れないのでした。

板前の華麗な包丁さばきによりわずか数分で〃あんこう〃の7つ道具が見事にそろいました。

(※ 1.肝 2.とも(胸びれ・尾びれ)3.ぬの(卵巣)4.だい身(身の部分、柳肉とも呼ぶ)5.胃(水袋とも呼ぶ)6.えら 7.皮)

まさに〃あんこう〃は捨てるところがない無駄のない魚でした。またこの〃あんこう〃の解体ショーは一部のホテルや食事処で行われているそうです。

〃あんこう〃の卵巣
あっという間に背骨だけとなってしまった〃あんこう〃

ーーこのあといよいいよ心も体も温まる鍋の季節がやって来ます。
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