(中堅ハチ公 ３) 上野家に一匹の仔犬が到着！

東京　渋谷のアスファルトの地面には背の高いビルの影がどこまでも続いています。
そして上を見上げれば降ってきそうなほど巨大な鉄骨の塊(かたまり)そんなビルの一角に東急百貨店(本店)がありました。

そのデパートの中へ入ると広大な敷地に床から天井に至るまで全て煌びやかな世界が広がってます。しかしそこにはかつて土の運動場と木造校舎で出来た大向小学校がありました。
そしてその小学校の裏手の高台に建っていたのが　あのハチ公のご主人　上野先生のご自宅でした。そしてそんな上野先生の自宅に一匹の可愛い仔犬が届きました。

そんな仔犬の到着を大喜びをして出迎えたのは上野先生と先生の妻　八重子(やえこ)でした。大変な愛犬家でもある上野先生はそのときもう既にジョンとエスと言う洋犬を飼ってました。
もちろんジョンもエスも新たな仲間が増えた事に大喜びのようでした。特にポインター犬(イギリス)のジョンは仔犬の面倒見が良かったそうです。

そしてその仔犬には〃ハチ〃という名前が付きました。しかしそのハチは幼い時から体が弱く頻繁に熱を出したりお腹を壊したそうです。
上野先生は自分のベットにハチを寝かせ3日に1度はお腹の弱いハチのために薬を飲ませていたそうです。さらに徹夜で看病する事もあったそうでした。

上野先生は子供がいなかったため わが子のようにハチを可愛がったそうです。そんな先生の愛情をたっぷりに受けたハチはすくすくと成長して行きました。
さらに仕事の忙しい上野先生は書生(しょせい)にハチの世話をさせ そしてハチの成長日記まで付けさせたそうです。

ーーーーーこのあとハチにとって生涯　最もつらい日がやって来ます。つづきをどうぞ